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日本皮膚科學會並に泌尿器科學會第14回關東東北連合地方會記事
福代
pp.479-480
発行日 1949年11月1日
Published Date 1949/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200277
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本會は昭和24年8月23日福島縣飯坂温泉鐵道療養所講堂に於て東北大學伊藤教授司會の下に開催,參加者約150名,盛會であつた.今回は同教授の發案に基き,演題を夫々皮膚科は「苔癬,痒疹をめぐる問題」に,泌尿器科は「腎結核病理の問題」に限定し,演者に充分の時間を與へ且つ討論を盡くすといふ意圖の下に行はれたが,この企晝は成功したと云へる.以下簡單にその跡を辿つて見よう.
皮膚科は合計11題,その第1は伊藤教授の「LichenVidal,Prurigoの分類私案」で,氏によれば神經皮膚炎Neurodermitis(その限局型がLichen Vidal)の皮疹は皮野を常に保ち,Prurigoは皮野を無視した皮疹である.兩者の組織學的差異は從來種々論議され未だに結論に達しないが,強ひて云へば.Lupeで見る概觀に多少の差を見出す,即ちNeurodermitisの皮疹斷面が櫛形の規則正しい表皮増殖を示し,浸潤が平面的で深からず全體として皿形をなすに反しPrurigoでは皮疹中央に就て表皮増殖並に浸潤が最も強く且つ深くその概觀は盃形をとる,臨床檢査事項に大差なく,唯皮膚反應に就て夫々特異な點を持つ,結局之をAllergieの問題に引入れ,兩者は夫々その反應の場を異にすると考へ,NeurodermitisをEpi-dermallergoeに,prurigoをCoriallergoseに編入した.
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