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慢性乳嘴状潰瘍性膿皮症の7例
村山 玄人
1
1九州大學醫學部皮膚科教室
pp.461-465
発行日 1949年11月1日
Published Date 1949/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200267
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本症が文献上普遍となれるは1902年Authonyの疣状皮膚炎,1905年Bosselinieの慢性疣状皮膚炎,大正3年永松の蛇行性乳嘴樣皮膚潰瘍等の記載からである.慢性乳嘴状潰瘍性膿皮症と云う名稱は1926年Hoffmannにより始めて命名せられたもので,Hoffmann後も塚田の慢性増殖性疣状膿皮症(1927),Tischenkoの慢性蛇行性膿皮症(1928)等の名稱が提唱され左た未だ一般化するに至つてない.
本症は比較的稀な疾患で本邦では永松,石丸,駒屋,土肥章司,高橋,佐藤,樋口,宮崎,遠山,高須,池田,菅井氏等により報告されてゐるが昭和17年迄に僅か約60例に過ぎない.外國症例でも百餘例を數えているに過ぎない.文献例の示す所では,高須の統計によれば,年齡的には50歳代が最も過半數を占め若年者には極めて稀で,性別では男が女より多い(7對3)とされている.部位は下腿に多く過半數を占め次に手背に多いとされている.池田の統計では50歳代が過半數56%を占め,男と女の比は3對1で,職業は農最も多く42%,人夫,職人,小使等の順で概して屋外勞働者に多くなつている.
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