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鼻部紅色顆粒症々例
八丁目 直義
1
1東北大學皮膚科教室
pp.330-331
発行日 1949年8月1日
Published Date 1949/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200225
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嚢にPringle(1894),Luithlen(1900),He-rrmann(1901)等が本症と全然同一或は類似の疾患を觀察したのであるが,1901年Jadasssohnが初めてGranulosi srubra nasiと命名記載して以來注目せられ,歐洲に於ては相繼いで報告せられ,我が國に於ては大正14年佐藤教授を初めとし橋本教授の各1例,谷村・土肥(章)教授の各2例,石井氏(皮泌誌30卷)の5例の報告があるのみ.當教室に於て若林氏が第81回皮膚科學會仙台地方愈に於て1例報告せるものを加えて,昭利12年より昭和23年の12年間に8例經驗したので茲に報告せんとす.第1表により之を觀るに,
發病時期 本症は通常6〜15歳の間,即ち思春期前に起る事が特徴で酒皶と區別せられる所であるが,吾症例中6例は幼時より12歳迄に起り,2例は思春期以後に起り,後者は一應酒皶と尋常性痤瘡を考えねばならぬわけで組織學的檢索を缺くため決定し難いが,酒皶にあつては弱年者を侵さす,又潮紅面には著しい毛細管擴張を見更に毛嚢孔の鑛大,著明なる皮脂分泌,痤瘡の併發等を認め,痤瘡にあつては鼻部以外にも著明に存し常に脂漏を伴い化膿の傾向あり,更に面皰の併發を認めることなどから除外し得るものと考えられる.
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