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八ッ岳東麓土壤中より創傷用皮膚疾患用藥ナトロールを抽出する方法及びその治驗例
塚越 しげ子
1
1社團法人菊池自然及應用科學研究所
pp.201-206
発行日 1947年12月20日
Published Date 1947/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200057
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1緒言
信州佐久地方では,野良で怪我をしたら田の土をつけろなぞと云われている。又春の雪解け及び夏の出水等で,田畑に泥土が浸入すると豐作になると云う。この樣な事は常に千曲川筋の西,八ッ岳死火山の東麓の帶状地帶にのみ成り立つ特異な現象で川東の秩父古生層蛇紋岩及び二疊石炭系水成岩なぞでは起らない事柄なのである。八ッ岳東麓には疥癬によくきく硫黄泉本澤温泉(標高2,100)m45℃,松原湖より1km程上つた所にある硫黄鑛泉),疵の湯(標高1,100m冬8℃夏16℃,この較差8℃は泉源が地下3〜5m以下の所にあることを示す。pH5.3〜5.4)水蟲の湯(前同.pH5.5〜5.6)なぞの樣に,効能の高い古來の名湯がある。之等一帶に亙る土壤の特異性に就いては目下研究を進めているが概觀した所では地下斷層より運漿された種々の重金屬類の自然風化による膠質化が原因になるのではないかと思われている。
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