--------------------
絲状菌の無蛋白培地について
平山 雅康
1
1慶應義塾大學醫學部皮膚科泌尿器科教室,臨床細菌研究室
pp.21-26
発行日 1946年11月10日
Published Date 1946/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200006
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
緒言
絲状菌の班究は,現在まで主として植物學者によつてなされ,形態學的分類は殆んど完成され,生物學的にも幾多の美しい業蹟がなされた。その培養についてもSabouraud,Currie,Southworth,Weidmann,Spring等(1,7,9)の固體培地が造られて居るか,合成培地については僅かにMoliiard及びRaulin(1,2)の液體培地が知られて居るのみである。かかる培地の製作は繁雜であり,なほ生物學上の實験に使用するうへにやゝ不適當な感が深い。一方結核菌についてはKoch以來幾多の合成培地が研究され殊にSauton,Long等の培地が發表されて(3)以來各國學派によつて數々の業蹟が行はれて居る。そしてこの2つの菌の間に或類似黙があることから,著者はまづ緒核菌に關してなされた合域培地に絲壮菌を培養し,その結果から出發して無蛋白合成培地を得たので,その實験成績を述べる。
Copyright © 1946, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.