特集 気管支拡張症—温故知新 注目され始めた一大カテゴリー
Ⅲ.気管支拡張症の治療のすべて—薬物療法から理学療法まで
慢性下気道炎症における短期・長期の抗菌療法の意義—マクロライド療法を中心に
徳田 均
1
1独立行政法人地域医療機能推進機構東京山手メディカルセンター呼吸器内科
pp.227-234
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1437200732
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POINT
●気管支拡張症の治療の目標は,①急性増悪の防止,②咳,痰などを抑えQOLを改善する,③長期予後に直結する肺機能の低下を防ぐの3つである.
●急性増悪の治療に使用する抗菌薬は,従来の培養,感受性検査に基づいた選択は必ずしも治療効果と直結しない.欧米ではペニシリン系,わが国では臓器移行の良さも踏まえ,キノロン薬が勧められている.
●慢性期の気管支拡張症に対するマクロライド長期投与は,急性増悪の頻度を減らし,QOLを改善する効果は認められているが,長期予後を規定する最大の因子,肺機能の低下は十分ではない.
●気管支拡張症の病態には下気道のマイクロバイオームが大きく関わっており,その変改を意識した治療へと変換が模索されつつある.
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