Japanese
English
解剖を中心とした脳神経手術手技
シャントシステムを用いないCEA
Surgical Anatomy and Techniques of Carotid Endarterectomy without Shunt
遠藤 俊郎
1
,
林 央周
1
,
平島 豊
1
Shunro ENDO
1
,
Nakamasa HAYASHI
1
,
Yutaka HIRASHIMA
1
1富山医科薬科大学脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Toyama Medical and Pharmaceutical University
キーワード:
carotid endarterectomy
,
surgical anatomy
,
surgical techniques
,
without shunt
,
high cervical lesion
Keyword:
carotid endarterectomy
,
surgical anatomy
,
surgical techniques
,
without shunt
,
high cervical lesion
pp.605-615
発行日 2001年7月10日
Published Date 2001/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436902064
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
頸動脈内膜剥離術(carotid endarterectomy:CEA)は,頸部頸動脈のアテローム硬化性狭窄病変に対する根治的かつ確立された治療法である.特に近年の欧米における共同研究の結果,高度狭窄病変に対する手術意義は一段と明確なものとなっている1,5-7,12).しかし手術手技の具体的内容については術者による相違も多く,特に動脈遮断時のシャント使用の是非や,壁縫合時のパッチグラフト使用については,その評価・選択をめぐり議論がつきない8-10,13,14,16,17).
各術者がより良い手術成績を目指し工夫を重ねる以上,その方法に差異が生まれることは当然の帰結であろう.筆者らはシャント,パッチは原則として使用せず,また個々の手術手技について若干の工夫を加えながら,手術症例を重ねてきた.これまでの経験より,本手術の成績を左右する最も重要なポイントは,シャントあるいはパッチ使用の有無ではなく,むしろ的確な手術適応と,動脈剥離よりアテロームプラク切除,壁縫合にいたる基本操作の確実,安全な実施にあることを,強く感じている2-4).本稿では,解剖学的知識と基本的手術手技の実際と留意点につき,われわれの経験,考え方を交え紹介する.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.