Japanese
English
解剖を中心とした脳神経手術手技
前交通動脈瘤の手術
Surgical Approach for Aneurysm of the Anterior Communicating Artery
佐野 公俊
1
1藤田保健衛生大学脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Fujita Health University School of Medicine
キーワード:
anterior communicating artery
,
aneurysm
,
craniotomy
,
clipping
Keyword:
anterior communicating artery
,
aneurysm
,
craniotomy
,
clipping
pp.9-16
発行日 2000年1月10日
Published Date 2000/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436901830
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I.はじめに
前交通動脈動脈瘤の手術はpterional approachとinterhemispheric approachが一般的であるが,今回はpterional approachについて述べる.
pterional approachの利点1-3)は,くも膜下出血例の急性期手術においてくも膜下腔の広範な開放と可及的血腫除去が可能なこと,嗅神経の損傷が少ない点,また早期に同側の前大脳動脈や両側の中枢側動脈が確保できる点などがあげられる.欠点としては,高位前交通動脈では脳の圧排が強く,ときとしてgyrus rectusの一部切除を必要とする場合がある.両側A1, A2及び前交通動脈の5本の血管が密集する部位であり,動脈瘤と諸血管の位置関係が場合によっては理解しにくいことがある.また高位(2cm以上),後方向き動脈瘤では,視野内では処理が困難なこともある.これらに観点をおいた前交通動脈(Acom)動脈瘤へのpterional approachについて述べる.
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