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特別寄稿 脳神経外科コントロバーシー2019
(5)脳内腫瘍性病変に対する手術の転換期—顕微鏡手術時代から鏡視下(内視鏡・外視鏡)手術時代へ
(5)Treatment for Brain Tumors:Microsurgery or Endoscopic Surgery
岡 秀宏
1,2
Hidehiro OKA
1,2
1北里大学メディカルセンター
2北里大学医学部脳神経外科学
1Kitasato University Medical Center
2Department of Neurosurgery, Kitasato University School of Medicine
キーワード:
endoscope
,
exoscope
,
intraventricular tumor
,
intraparenchymal tumor
Keyword:
endoscope
,
exoscope
,
intraventricular tumor
,
intraparenchymal tumor
pp.129-137
発行日 2019年2月10日
Published Date 2019/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436203910
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Ⅰ.はじめに
皆さんは,外視鏡(exoscope)1,2,4-14,16-18)手術をご存じだろうか? 筆者がこの外視鏡手術に初めて触れたのは,2007年にドイツのMainz大学に留学したときであった.内視鏡手術は,ご存じのように,小さい術野から内視鏡を患部に挿入し,モニターを確認しながら行う手術である.一方,外視鏡手術は,顕微鏡手術の代わりとなるもので,カメラを術野上方に固定し,モニターを見ながら行う手術である.筆者は留学中に恩師であるPerneczky教授から「今からの時代は顕微鏡手術から内視鏡手術への移行期があり,その後外視鏡手術時代が訪れる」,と教わったことがある.今から考えれば,現在がその鏡視下(内視鏡・外視鏡)手術への移行期と思われる.さらに近未来は,ゴーグルにカメラとモニターが搭載され,術者はゴーグルを着けただけで狭い術野を拡大し,手術を行うことができるようになりそうである.
とは言え,30年以上にわたり顕微鏡で手術を行い,20年にわたり鏡視下手術に携わり,両者の利点・欠点を痛感してきた筆者からすれば,顕微鏡手術が完全になくなるとは思えないが,その比重は鏡視下手術が優位となることは必然であろう.本稿では,顕微鏡,鏡視下手術の歴史に触れ,それらの使い分けと,他科との兼ね合いから垣間見える今後の動向について解説したい.
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