扉
Medical Record, Typewriter, Word Processor
木下 和夫
1
1宮崎医科大学,脳神経外科
pp.777
発行日 1984年6月10日
Published Date 1984/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436201865
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臨床医学は過去から現在,さらに将来にいたるまで,個々の患者の記録の積み重ねが基本となっている.医師個人の経験(記憶による記録)も大切であるが,文字によって記録されたものは消え去ることはなく,多数の医療関係者によって多くの面から利用され,現在の患者自身の治療のみならず,医学の進歩・普及には欠かせないものである.最近日本と西欧諸国,特にアメリカとの比較が多くの分野でなされ,医学も例外ではない.日本の臨床医学は,医学教育を含めて,全般的に評価した場合,かなり後れているといわざるをえない.
この差の原因は多く挙げられるが,私はその最大のものは言語と,それに基づく記録様式の差によるものではないかと思う.言葉を変えていえばタイプライターの問題である.日本語にもタイプライター,ワードプロセッサーはある.しかしこれは1分間に50 wordsも打てる欧文タイプライターとは全く異質のものである.
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