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編集後記
片山 容一
pp.726
発行日 2011年7月10日
Published Date 2011/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436101489
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本号の扉で,齋藤 清教授が手術をすべきかどうか決断することの難しさを述べておられる.まったく同感である.私も,最善の決断をするために,何か普遍の論理がないものかといつも思う.
しかし,そんな普遍の論理などは存在しない.個々の患者の病態は,あまりにも多様で,しかも予測できない要素を含んでいる.リスクの高い手術に挑戦するとなると,自分の技量の的確な評価も必要である.患者を天命に委ねてしまえば,自分の責任からは逃れられる.それでも,私たちは,天命に逆らって,自分から責任を負うという決断をする.そんな決断は,疑問の余地のない論理によるものではないことも少なくない.
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