コラム:医事法の扉
第52回 「破裂脳動脈瘤」
福永 篤志
1
,
河瀬 斌
2
1国家公務員共済組合連合会立川病院脳神経外科
2慶應義塾大学医学部脳神経外科
pp.773
発行日 2010年8月10日
Published Date 2010/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436101235
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破裂脳動脈瘤は,手術のタイミングの問題や,再破裂,脳血管攣縮,水頭症などの合併症を伴うという複雑な臨床経過をたどる特徴があるため,未破裂脳動脈瘤とは異なった法的紛争がしばしば起こります.「手術・検査手技の過失」が最も多い争点ですが,原告の主張の全部または一部が裁判所に認められた割合(認容率)は17%と比較的低くなっています2).これは,手術・検査手技の専門性と閉鎖性,合併症との鑑別などから,原告側にとって過失を証明することが困難であるためと考えられます1).
手術手技の過失を認定したうえで,後遺障害との因果関係が問題となった最近の判例があります.
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