書評
『プロメテウス解剖学アトラス 頭部/神経解剖』―坂井 建雄,河田 光博●監訳
仲嶋 一範
1
1慶應義塾大・解剖学
pp.993
発行日 2009年10月10日
Published Date 2009/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436101033
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書評を書くに当たり,まずは解剖学実習を終えたばかりの現役の医学生たち数名に率直な感想を聞いてみた.いずれもとても高い評価であり,「こういう本を読みながら実習を進めれば,自分の解剖学の勉強もより効率的で奥深いものになっていたに違いない」という感想であった.そろってそのような感想が出てくるに足るユニークな特徴を,この本は有している.
古典的で著名な複数のアトラスを含め,解剖学のアトラスは数多く出版されているが,本書は,単なる「地図帳」的なアトラスというよりは「図鑑」的であり,子どものころに夢中になって読んだ図鑑のように,いつの間にか引き込まれていろいろなページをめくり,熱中してしまうような面白さがある.医学生にとって必要かつ重要な情報が,コンピューターグラフィックスによる洗練されたわかりやすい画像情報に乗って快適に展開される.情報量は大量であるにもかかわらず,楽しみながら読み進めるうちに知らず知らずのうちにさまざまな知識が身についていくものと思う.
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