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I.はじめに
動物にとって重要な聴覚情報が大脳皮質でどのように表示されるかということについての過去4年間の仕事はすでに"自然"(1978年5,6月号)17)と"生体の科学"(1980年11,12月号)18)に紹介してあるので,今回は,動物にとって重要な聴覚情報を検出するために聴覚系がどのように特殊化しているかということについて述べよう。
聴側線系は動物自身の活動によって生ずるエネルギーによって刺激される。このような自己刺激は不必要に大きくならないように特定の機序によって減らされている。たとえば,水棲のアフリカツメガエルの体表には水の動きを受容するための側線器がある。ッメガエルが泳ごうとすると,四肢の運動に先立って,運動中枢から側線器へ抑制性の信号が送られ,自己刺激が減らされる11)。キンギョの平衡器官でも同じことが行なわれている7)。このような自己刺激の抑制は外界に由来する刺激(信号)の検出と処理に重要な役割を果たしている。もう一つ例をあげよう。ある種の電気魚は電気のパルスを航行と交信の両方に使っている。電気受容器系の一部は航行用に,他の一部は交信用に都合がよいようになっている。後者では,電気魚自身が出したパルスによって引き起こされた神経性信号を脳の入口で抑制し,他の電気魚が出す電気パルスを選択的に処理できるようになっている24)。
Abstract
For echolocation, bats emit strong orientation sounds (biosonar signals). If such sounds directly stimulated their ears, the detection of echoes from targets at short distances would be impaired. Different species of bats have different mechanisms specialized for the attenuation of vocal self-stimulation and the detection of biosonar infor-mation. Different species of bats use different types of orientation sounds.
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