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はじめに
[14C]deoxyglucosc(DG)法は脳の特定の場所が活動したときに,局所的にブドウ糖の消費が増加するのをオートラジオグラフの形式で表示することによって,脳の機能的なマッピングを可能にした13)。DG法の原理は図1に示すように脳組織内でブドウ糖が最終的にはCO2とH2Oに分解されるのに対して,DGの代謝はdeoxyglucose-6-Phosphate(DG-6-P)の段階で停止し,細胞に取り込まれたままになるという性質を利用する。DG-6-Pとブドウ糖が脳細胞に取り込まれる比率はほぼ等しいといわれている。このDG法によって得られる解像力は大脳皮質視覚領の柱状構造がはっきりわかる程度までは期待できる。DG法がとくに有利な点は適当刺激に反応して活動する神経系の末梢側から中枢側に至るまで,主に神経核であるが,選択的にDGによってラベルされることである。
中枢神経系の局所的な活動性はそこのブドウ糖消費と強い相関がある。もし,ある神経系の末梢になんらかの障害を与えれば,これに反応してその中枢側あるいは関連領域に機能的な変化が起こるはずである。そのときに誘発される活動性の変化の性質と大きさはDG法によって観察することが可能であろう。
Plastic changes in the mouse inferior colliculus (IC) after cochlear destruction were studied by the [14C]deoxyglucose (DG) method. After unilateral cochlear destruction, DG uptake in the IC contralateral to the lesion decreased remarkably. DG uptake, however, began to increase as time passed and attained the normal level about one month later. A similar time course of recovery was observed also after bilateral cochlear destruction.
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