Japanese
English
特集 前頭前野機能の最前線-基礎から臨床まで
序 文
Preface.
丹治 順
1
Jun Tanji
1
1玉川大学学術研究所脳研究施設
1Brain Science Research Center, Tamagawa University, Research Institute
pp.481
発行日 2005年8月10日
Published Date 2005/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431100064
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- Abstract 文献概要
いま世界的に,前頭前野に関する研究に注目が集まっており,かつてなかったほど多数の研究報告が続々となされている状況にあります。その背景として,ヒトの脳活動の機能的イメージング技術の成熟に従い,脳の高次機能解明を目指す研究が飛躍的に増加し,そのなかでもヒトの前頭前野の機能に挑戦する研究が目立つ状況があります。なかでも,精神機能の解明に迫ろうとする方向が顕著で,認知機能の豊富な内容から“セオリーオブマインド”の脳内表現までもが,広く研究対象となっています。このような前頭前野研究の臨床応用への展開も見えてきている段階といえます。
他方,高次脳機能の理解の基本は,やはり脳を構成する素子や神経回路の動作原理と,脳全体の働きによる認知・行動機能の関係を結びつけることであり,動物を用いた地道な実験研究が前頭前野に関しても基本的な指標を与えることは申すまでもありません。
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