特集2 上手な予測と現場ですぐできる予防策で快適な治療を実現しよう 先回り式抗がん薬副作用対策トリビア
日常生活で困ること
がん化学療法中の症状予防としての運動の効能と患者へのすすめ方
華井 明子
1
1国立がん研究センター支持療法開発部門/社会と健康研究センター
pp.296-300
発行日 2018年7月15日
Published Date 2018/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200295
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「適度な運動は健康によい」ことが科学的に証明されてきた
「適度な運動が健康によい」ことに関して世界中でエビデンスが蓄積されてきている。安静にしている状態より多くのエネルギーを消費する全ての営みを「身体活動(physical activity)」、身体活動のうち、体力の維持・向上を目的として計画的・意図的に実施する一定の活動を「運動」として、運動処方によらない日常的な身体活動の推奨に特に注目が集まっている。
わが国で行なわれた79,771人を対象とした調査においても、仕事や運動などにより身体活動量が高くなるほど、がん全体の発症リスクや死亡全体のリスクが低くなることが示されている1。また、1日1時間程度の中等度の身体活動で、長い坐位時間に起因する死亡リスクが減少することが示されており、少しでも体を動かすことの重要性が注目されてきている2。
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