View-point がん診療 「前立腺がん」
メディカル・スタッフのための前立腺がん臨床的概論
Cancer Board Square編集室
pp.82-87
発行日 2017年2月15日
Published Date 2017/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200163
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1 疫学
日本における前立腺がんによる死亡数は約1.2万人で男性がん死亡全体の約5%を占めている(2015年時点)。罹患数(全国推計値)は約4.7万人であり、男性がん罹患全体の約14%に当たる。65歳以上の高齢者に好発し、日本の男性の部位別年齢調整罹患率は2000年代前半においては、胃がん、肺がん、結腸がんに次ぐ順位であったが、2015年の国立がん研究センター「がん統計予測」では男性第1位とされた。年齢調整死亡率は、一時期著しい増加傾向を示したが、2005年以降、減少傾向がみられている。発生率は、40歳代以降加齢とともに増加し、70歳代は50歳代の20〜60倍の発生率となる。50歳以下でみられることは少なく、発生率、罹患率からも高齢者のがんであると言える。
また、欧米のなかでも、オーストラリア、フランス、ドイツ、イギリスなどヨーロッパ西側諸国、米国など、いわゆる先進国を中心に罹患率が高く、アジアやアフリカでは低い傾向がみられる。
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