ジェネラリストに必要な ご遺体の診断学・21
実践基本編①:心臓突然死
森田 沙斗武
1
1大阪はびきの医療センター 臨床法制研究室
pp.1452-1455
発行日 2024年12月15日
Published Date 2024/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429205122
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Case 1
患者:52歳、男性。妻と子の三人暮らし。
既往歴:特になし。
現病歴:職場の健診で高血圧とLDLコレステロール高値を指摘されていたが、忙しいからと医療機関を受診していなかった。仕事は建設現場の作業員で、喫煙20本/日の習慣があった。
某日午後5時頃に帰宅。午後から背中が急に痛くなったため仕事を早退したという。妻が病院に行くように勧めるも、「痛み止めで様子をみるから大丈夫。明日も痛かったら仕事を休んで病院に行くわ」と、夕食も摂らずに自室で横になっていた。午後9時頃、居間に現れ「少し痛みがマシになってきたから、明日は仕事に行けそう」と話し、入浴。午後10時頃に自室で就寝した。
翌日午前6時から鳴り始めた目覚まし時計がいつまで経っても止まらないことを不審に思った妻が、ベッド上で死亡している患者を発見。午前6時11分に救急要請、20分に救急隊が到着するも全身の硬直を認め、不搬送決定となった。
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