特集 “消去法”で考え直す「抗菌薬選択」のセオリー—広域に考え、狭域に始める
【抗菌薬選択クイズⅡ】緊急を要する感染症の初期抗菌薬選択
❷「敗血症・敗血症性ショック」の初期治療
石井 潤貴
1
,
志馬 伸朗
1
1広島大学大学院 医系科学研究科 救急集中治療医学
キーワード:
Sepsis-3
,
J-SSCG 2020
,
SOFAスコア
,
targeted empirical therapy
Keyword:
Sepsis-3
,
J-SSCG 2020
,
SOFAスコア
,
targeted empirical therapy
pp.816-821
発行日 2023年7月15日
Published Date 2023/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429204363
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敗血症性ショックの初期治療では、経験的治療における抗菌薬選択が広域となりがちで、時に過剰な広域・多剤が使用されることもある。しかし広域抗菌薬の使用は、死亡を含む不良転帰との関連を示唆する報告が増え、重症であることだけでは正当化されない(p.830)。
致死率を下げずに、より狭域の経験的治療薬選択を目指す意義があり、その1つの考え方を「targeted empirical therapy(TET)」(図1)と筆者は呼んでいる。本稿では、市中発症の「敗血症」および「敗血症性ショック」の患者を想定したTETの考え方について述べる。
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