特集 援助の可能性と限界
援助するかかわりの中身
鷹井 清吉
1
1和歌山看護学セミナー
pp.1047-1052
発行日 1978年10月1日
Published Date 1978/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918512
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はじめに
私は,いまある動機からひとつの事実を知ろうとしています.そして,この大切な事実に気づくまでに,私自身の低級さによってか,私と今まで関係をもってきた数多くの人たち,特に病気を背負って私と接触してきた人たちに,とりかえしのつかない一時,いやそれ以上の傷を負わしていたことを隠すことはできません.
ただ弁解がましくいえることは,この大切な事実に気づくまでの私は,私なりに相手を傷つけようなどという意志はまったくなく,ただよい関係を作りたい,もっと極言していうならば,もっとよい看護をしたいと望んでいただけでした.しかしこの事実に気づいた今,傲慢ともいえる私の態度が,看護する場面でいかに無理解きわまる自分勝手なものであったかと心を痛くしています.
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