特集 日常診療に潜む「処方カスケード」—その症状、薬のせいではないですか?
【各論】
❸認知機能低下—認知症=Alzheimer病とは限らない、薬も考えよ!
関岡 叙衣
1
,
天野 雅之
1
1南奈良総合医療センター 総合診療科
キーワード:
認知機能低下
,
認知症
,
不眠
,
処方カスケード
Keyword:
認知機能低下
,
認知症
,
不眠
,
処方カスケード
pp.1199-1202
発行日 2022年10月15日
Published Date 2022/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429203963
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「認知機能低下」と「認知症」とは明確に区別する必要がある。「認知機能低下」は症候であり、さまざまな病態により引き起こされる。認知機能低下と言われた患者のうち10%は医薬品によるものであったという報告もあり1)、薬剤歴の確認は特に重要だ。一方で、「認知症」は脳疾患から成る症候群である。ほとんどの例は臨床的に診断され、Alzheimer型認知症、脳血管性認知症、Lewy小体型認知症、前頭側頭型認知症などの病名がつけられる。抗認知症薬の効果は限定的であるから2,3)、できるだけ丁寧に診断して病型を捉えたうえで、抗認知症薬を使用する場合は、他の薬剤と同様に、慎重な経過観察と効果判定を要する。
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