特集 こんなところも!“ちょいあて”エコー—POCUSお役立ちTips!
【@救急】
❻骨折×エコー
神野 敦
1
1札幌東徳洲会病院 救急センター
キーワード:
骨折
,
超音波検査
,
POCUS
,
肋骨骨折
,
橈骨遠位端骨折
Keyword:
骨折
,
超音波検査
,
POCUS
,
肋骨骨折
,
橈骨遠位端骨折
pp.942-945
発行日 2022年8月15日
Published Date 2022/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429203848
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
骨折と超音波検査
骨折は、救急患者において頻度の高い疾患の1つで、その診断はX線写真、CT、MRIなどの画像検査を基に行うのが一般的である。近年、超音波装置の小型化、低価格化により、さまざまな領域においてベッドサイド超音波検査が実施されるようになり、骨折診療においても超音波検査、特にPOCUS(point-of-care ultrasound)が有用であることが明らかになってきた。外傷診療において“超音波”と聞くと、FAST(focused assessment with sonography for trauma)の印象が強く、超音波検査はprimary surveyに用いると認識されている場合も多いが、『外傷初期診療ガイドラインJATEC改定第6版』1)において、骨折の評価に対する超音波検査の活用が取り上げられており、診療における超音波検査の活用はさらなる広がりを見せることが期待されている。
現在では、さまざまな種類の骨折においてPOCUSの診断性能が報告され、POCUSの有効性が示されている。たとえば、上肢および下肢の骨折における診断性能を検討したChampagneらのsystematic reviewでは、超音波検査の診断能は上肢骨折で感度93%・特異度92%、下肢骨折で感度83%・特異度93%であったと報告されている2)。POCUSの特性である、簡便、迅速、低侵襲の要素に加え、高い診断能もPOCUSを活用する理由の1つである。
Copyright © 2022, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.