特集 —どうせやせない!? やせなきゃいけない??苦手克服!—「肥満」との向き合い方講座
肥満は「病気」か?
❶—医療人類学の視点から—肥満は単に「生物医学的」な問題か?
美馬 達哉
1
1立命館大学大学院 先端総合学術研究科
キーワード:
文化的肥満
,
肥満エピデミック
,
ファット・アクセプタンス
,
医療化
Keyword:
文化的肥満
,
肥満エピデミック
,
ファット・アクセプタンス
,
医療化
pp.820-824
発行日 2022年7月15日
Published Date 2022/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429203805
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Case
肥満を仲間と一緒に肯定する
小学校教員だったある女性は、太っているために結婚生活が破綻したと思い、体型に強い劣等感をもっていた。彼女は、甘いものを食べることに罪悪感があったが、「ファット・アクセプタンス運動」の総会のデザート・パーティーに勇気をもって参加して、仲間と楽しく過ごし、すべてのデザートを味わった。
彼女は、その経験を「太ったと思って帰ってから測ったら、逆に体重が何kgも減っていた。きっと楽しくリラックスしていたから。本当なのよ」と嬉しそうに語ったという。肥満には、数字で表される過体重だけではなく、情動や自己肯定に関わる心理的・社会的次元の問題が含まれているとわかる。(碇1)の事例7から再構成)
Copyright © 2022, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.