特集 —ポリファーマシーを回避する—エビデンスに基づく非薬物療法のススメ
扉
酒見 英太
1
1洛和会音羽病院
pp.1174-1175
発行日 2020年10月15日
Published Date 2020/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202815
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種々の薬物療法が人類の福祉に貢献していることは論をまたないが、一方で、ポリファーマシーの害が叫ばれるようになって久しい。そんななか、“処方権”という絶大な権力を独占している我々医師が、「その伝家の宝刀を乱用していないだろうか?」との反省の機運は、徐々に高まって来ていると信じたい。しかし、国民皆保険の幸運に恵まれた日本国民の大多数に、安易に薬物療法を求める習性を根付かせてしまったなかで、薬物療法の有効性への疑問(エビデンスの欠如)や、害の可能性を説明するだけで、処方を控えることに納得してくれる患者は、果たしてどれくらいいるのだろうか?
本特集では、何らかの苦痛や心配を訴えてやってきた患者に対し、薬物療法に走る前に、それらを軽減するための有効な、エビデンスのある非薬物療法を紹介し、その最大限の利用を患者に指導することで、処方の制限を現実味あるものとすることを目指したい。
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