オール沖縄!カンファレンス|レジデントの対応と指導医の考えVer.2.0・21
画像陰性脳梗塞!?—急がば回れ
北原 武尊
1
,
伊敷 洋平
1
,
新里 敬
1
,
徳田 安春
2
1社会医療法人敬愛会中頭病院総合内科
2臨床研修病院群プロジェクト群星沖縄センター
pp.1280-1283
発行日 2018年9月15日
Published Date 2018/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201711
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CASE
患者:76歳、男性。
主訴:呂律が回らない、うまく歩けない。
現病歴:入院2週間前から左下肢の軽いしびれを自覚した。6日前に両側前腕(左優位)にもしびれが出現し、翌日当院外来を受診。左下肢の軽度筋力低下と左尺骨神経領域に、叩打によるしびれの増強が認められた。腰椎X線では有意な異常所見なく、2日後に脊椎単純MRI検査が施行され、L4/5の椎間板変性や膨隆が認められ、腰部脊柱管狭窄症と診断された。症状が軽度のため、対症療法で帰宅となった。入院2日前の夕方、右口角から水がこぼれるようになり、味覚変化が出現、翌日には歩行がおぼつかなくなった。受診当日から右眼の閉眼ができなくなり、呂律難も出現したため、当院再受診。
既往歴:前立腺肥大症(近医通院中)。健康診断受診歴なし。
常用薬:シロドシン4mg、エビプロスタット® 配合錠DB 3錠。
家族歴:母が不整脈のためペースメーカー留置。脳卒中の家族歴なし。
嗜好歴・生活歴:喫煙中(30本/日×56年間)。以前は泡盛を毎日2杯、3年前から断酒。58歳まで農業に従事、その後タクシー運転手。
アレルギー:食事・薬剤ともになし。
review of systems:出現した症状は今回初めて自覚。1カ月前に咳嗽と喀痰があり、下痢はなかった。腰部違和感は以前より自覚。3年前に排尿困難と頻尿があったが、薬物療法で改善。その他、特記事項なし。
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