視座
急がば廻れ
玉井 達二
1
1宮崎医科大学
pp.103
発行日 1981年2月25日
Published Date 1981/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906277
- 有料閲覧
- 文献概要
臨床を離れて六年余りの年月が,いつの間にか過ぎてしまつた.せめて本だけでも読みたいと心掛けてはいるものの,それもままならぬ日々がつづいている.しかし幸か不幸か,医学概論などを話すようになつてから,反省する機会には恵まれ,今まで自分が一端を荷つて来た医学教育は,あれでよかつたのか,などと考えることがある.
医学教育は生涯教育であり,死ぬまでつづけなければならないものであり,教育の内容は,教育を受ける側の状態によつて異なることも,疑う余地は全くない.子供が生れて,母乳それから離乳食,そして普通の食事へと変わつて,一生食べつづけなければならないのに似ている.すなわち,教育は,卒前,卒後はもちろんその時期・時期に適した内容で,生涯つづけて行かなければならないものである.
Copyright © 1981, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.