Dr.上田剛士のエビデンス実践レクチャー! クスリとリスク・7
薬剤による消化管出血
上田 剛士
1
1洛和会ヘルスケアシステム 洛和会丸太町病院 救急・総合診療科
pp.872-877
発行日 2016年10月15日
Published Date 2016/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200657
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症例
患者:77歳,女性.
現病歴:3年前に経皮的冠動脈形成術(PTCA)を受け,アスピリンとクロピドグレルを服用している.2年前に心房細動に対して,ダビガトラン110mg 1日2回が追加された.1年前から鉄欠乏性貧血と便潜血陽性を指摘され,上部・下部消化管内視鏡検査を受けたが,異常は認められなかった.PPI(proton pump inhibitor)と鉄剤を投与しているが,Hbは9g/dl台で推移していた.3日前からの黒色下痢便の後,ショックで救急外来を受診し,Hb 4.2g/dlであったが,上部・下部消化管内視鏡検査,腹部CTでは出血源は明らかではなく,小腸出血と推測された.ワルファリン単独投与に切り替えられた後は,消化管出血の症候なく経過している.
Q:出血合併症を減らす上手な抗血小板薬・抗凝固薬の使い方とは,どのようなものでしょうか? また,抗血小板薬・抗凝固薬以外で消化管出血を起こしやすい薬には,何があるでしょうか?
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