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IDATENセミナーテキスト編集委員会(編)『市中感染症診療の考え方と進め方 第2集—IDATEN感染症セミナー実況中継』
川島 篤志
1,2
1市立福知山市民病院 研究研修センター
2市立福知山市民病院 総合内科
pp.271
発行日 2016年3月15日
Published Date 2016/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200502
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「感染症診療は日本の医療で遅れている分野である」というニュアンスのコメントを見たり聞いたりする人も多いのではないだろうか? 筆者自身も感染症診療や臨床推論に関連する講演で頻用するが,同時にこの数年で感染症診療のボトムアップが進んでいるのを実感する.その最大の貢献者はIDATEN(Infectious Diseases Association of Teaching and Education of Nippon)と言っても過言ではない.もしIDATENという言葉にピンとこない方がおられれば,同研究会のホームページ1)を閲覧するか,周囲の若手医師に「IDATENって何?」と訊かれることをお勧めする.
さて,IDATENは過去にも複数の書籍を刊行している2).それぞれ秀逸であるが,今回はセミナー実況中継風の体裁で,施設内・地域内での感染症診療の質向上に心強い1冊として出版された.セミナーは夏と冬に行われているが,日程やあまりの人気で“狭き門”となっている.サマーセミナーはbasic編と位置づけられているが,「かぜ」を含めたよくある感染症から,比較的稀で対応困難になりかねない疾患・状態への備え(海外渡航帰りの発熱やHIV診療,集中治療),感染症診療の原則や小児診療,予防(ワクチン)についても網羅されおり,大変贅沢なセミナーである.これらがUpdateされ,カラー図表が豊富な書籍として一般公開されたことは,本当にありがたいことである.個人的には,筆者自身が施設責任者として関わった2013年の「IDATENサマーセミナーin福知山」がbaseになっているのも感慨深い3).
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