特集 妊婦・褥婦が一般外来に来たら─エマージェンシー&コモンプロブレム
【スペシャル・アーティクル】
妊婦・褥婦をめぐる最近の傾向—高年妊娠・出産,出生前診断
中西 美紗緒
1
,
矢野 哲
1
1国立国際医療研究センター産婦人科
キーワード:
高年妊娠
,
妊娠高血圧症候群
,
妊娠糖尿病
,
生活習慣病
,
メタボリックシンドローム
Keyword:
高年妊娠
,
妊娠高血圧症候群
,
妊娠糖尿病
,
生活習慣病
,
メタボリックシンドローム
pp.59-62
発行日 2016年1月15日
Published Date 2016/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200444
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近年,わが国では社会環境やライフスタイルの変化に伴い,個人のライフコースは多様化し,さまざまな選択ができるにようになった.一方で妊娠・出産については,医学的に男性・女性ともに適した年齢があるといわれている.特に30代半ば頃から,胎児の染色体異常や流産率は上昇し,母児に伴うさまざまな周産期リスクは高くなる.
近年の晩婚化・晩産化は,出生率の低下と高齢不妊症患者の増加をもたらした.2013年には,無侵襲的出生前遺伝学的検査として「母体血を用いた胎児由来遺伝子の解析」が導入され,出生前診断や遺伝カウンセリングが改めて注目されている.時代の流れに伴い,高年妊娠や生殖補助医療による妊娠・出産の割合は明らかに増加しており,ハイリスク妊娠・分娩として細心の注意を払い,適切な周産期管理を行う必要がある.
本稿では,妊婦・褥婦をめぐる最近の傾向として,高年妊娠・出産と出生前診断について概説する.
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