特集 咳を聴きとり,咳を止める
【咳の原因の全体像を捉える】
●病態生理を理解する
咳を主訴とする呼吸器感染症の病原体診断
金城 武士
1
,
藤田 次郎
1
1琉球大学大学院医学研究科 感染症・呼吸器・消化器内科学
キーワード:
感染性咳嗽
,
呼吸器ウイルス
,
マイコプラズマ
,
肺炎クラミジア
,
百日咳
Keyword:
感染性咳嗽
,
呼吸器ウイルス
,
マイコプラズマ
,
肺炎クラミジア
,
百日咳
pp.435-438
発行日 2015年5月15日
Published Date 2015/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200214
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はじめに
咳嗽はほとんどの呼吸器感染症において認められる一般的な症状である.感染性咳嗽の原因として最も頻度が多いのは,ウイルスによる上気道炎であるが,咳嗽が遷延する場合には,マイコプラズマや肺炎クラミジア,百日咳などを鑑別する必要がある.感染症の診断方法は大きく分けて,病原微生物そのものを検出する方法と,病原微生物に対する生体反応をみる方法の2つがあるが,一般的に感染の直接証拠を検出する前者のほうが後者よりも診断的価値が高いことが多い.上述した病原体のうち,病原微生物そのものを検出する方法が保険適用を取得しているのは,呼吸器ウイルスの一部とマイコプラズマのみである.
本稿では,呼吸器ウイルス,マイコプラズマ,肺炎クラミジア,百日咳の診断について,現在用いられている方法の有用性と問題点などを述べながら解説したい.
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