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特集 肝細胞胆道系MRI造影剤のインパクト
序説・肝細胞胆道系MRI造影剤は肝画像診断体系を変えるか?
Will Gd-EOB-MRI change the diagnostic algorithm in liver tumor?
工藤 正俊
1
Masatoshi KUDO
1
1近畿大学医学部 消化器内科
1Department of Gastroenterology and Hepatology,Kinki University School of Medicine,Osaka
キーワード:
Gd-EOB-DTPA
,
早期肝細胞癌
,
Dysplastic nodule
,
肝腫瘍
,
肝細胞癌
Keyword:
Gd-EOB-DTPA
,
早期肝細胞癌
,
Dysplastic nodule
,
肝腫瘍
,
肝細胞癌
pp.477-483
発行日 2009年9月15日
Published Date 2009/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100186
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はじめに
肝細胞特異性造影剤であるGd-EOB-DTPA(gadolinium ethoxybenzayl diethlenetriamine pentaacetic acid,ガドキセト酸ナトリウム;EOB・プリモビスト(R))が2007年1月,本邦においても発売となった.この造影剤は肝実質細胞に取り込まれ,胆汁中に排泄されることにより肝臓,および腎臓から排泄されるという極めて特徴的な作用をもつ肝特異性造影剤である.また,もう1つの肝特異性造影剤である超常磁性酸化鉄(superparamagnetic iron oxide;SPIO,リゾビスト(R))と比べ,血流動態診断に加え,T1強調像をベースに静注投与20分以後の肝細胞相において肝実質が白くシャープに染影され,肝癌などの肝実質細胞を有しない結節が低信号に描出される.したがってGb-EOB-DTPAはwhite liver agentと呼ばれることもある.SPIOが空間分解能の劣るT2強調像で肝臓全体が黒く染まる(black liver)に比べ,MRIを専門とする放射線科医以外の肝臓専門医にとっても極めて診断が容易な画像診断法である.このGd-EOB-DTPAは肝画像診断におけるbreakthroughであることは間違いない.
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