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編集後記
國土 典宏
pp.248
発行日 2009年3月15日
Published Date 2009/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100146
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本年度から本誌の編集幹事に加えていただきました.肝胆膵外科医・肝臓移植医の立場から誌面作りに協力したいと思います.よろしくお願い申し上げます.
本号の特集である「肝胆膵のIntervention」は本誌のキャッチフレーズ「病態・治療に迫る専門誌」の言葉通り,診断から治療へ踏み込んだ内容となっている.執筆者の多くが内科医や放射線科医で,外科医の私にとってはそのパワーを感じさせられると同時に感慨も深かった.筆者が外科医になった1980年代前半に研修先で最初に見た「肝胆膵のIntervention」は経皮経肝胆道ドレナージ(PTCD)で,超音波のない時代であった.まず細いPTC針で胆管造影を行い,次に太いドレナージ針を透視だけを頼りに刺していく.透視だけでの穿刺は不正確で,しかも太い針の抵抗が大きく硬い胆管を貫くことができない.何度かの穿刺の後,内筒を抜いてみると外筒の太い内腔から血液が多量に噴出した(ように見えた).今から思えば門脈枝を穿刺したのであろう.急いで外筒を抜去して圧迫.出血は事なきを得たが,減黄できないので緊急手術で小開腹して外胆嚢瘻を造設した.その直後に超音波ガイドがその病院でも導入され,筆者自身も超音波ガイド下PTCDの手技を学んだ.この導入で手技は格段に正確で安全になったが重篤な合併症も隣り合わせで,外科医以外には手の出しづらい領域と考えられていた.
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