硬化型肝細胞癌の初期画像所見を確認しえた1例

A Case of Scirrhous Type of Hepatocellular Carcinoma of Which We Can Get the Radiologic Findings When It Was Small Tumor

　患者はHBVキャリアーの50歳男性．2000年の検診の腹部USで肝S₅に1cmの腫瘍性病変を指摘され，当院にてUS,CT施行，血管腫疑いとして経過観察されていた．2001年の検診のUSで同腫瘍が6cmに増大していたため当科紹介された．腫瘍はUSで辺縁がlow，内部が比較的high echoicに描出され，ダイナミックCTでは早期相で辺縁が濃染，後期相にかけて中心へ向かい濃染されていく所見を呈した．肝外悪性病変は認められず画像所見から胆管細胞癌を疑い肝右葉切除を施行した．病理組織学的検索にて硬化型肝細胞癌と診断された．硬化型肝細胞癌は稀な疾患で，初期画像が確認でき，示唆に富むと考え報告する．