書評
「臨床研究 21の勘違い」—福原俊一,福間真悟,紙谷 司【著】
香坂 俊
1
1慶應義塾大学循環器内科/医療科学系大学院(臨床研究)
pp.1124
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416202193
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Critical Appraisalはしばしば「批判的吟味」と訳される。医療の現場では「論文やエビデンスを簡単に使用するな!」という否定的なニュアンスで用いられることが多いが,個人的には「エビデンスを構築してくれた研究者達に敬意を払いつつも,油断はしない」というように,すこし柔らかいニュアンスでとらえても良いのではないかと考えている。
このCritical Appraisalであるが,以前は研究を嗜む人たちのための高尚な技能のような位置付けで,学会などで壇上の先生方の意見などを伺いながら,なるほどこういうふうに考えるのかなどと構えていればよかった。しかし最近は,わりとキャリアの早い時期に「身につけなくてはならない技術」という位置付けになってきている(ちょうど問診・診察やカルテ記載の技法のように)。
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