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書評 「脳卒中症候群」—星野晴彦【監訳】
山本 康正
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1社会福祉法人京都桂病院脳神経内科 脳血管センター
pp.632
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416200453
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星野先生とその学友の先生方は,L.R. Caplanの『Stroke Syndromes』を邦訳するという大技をやってのけられた。本書はCaplanの多くの著書の中でも最も重要なものの1つである。自ら大いに筆を振るいながら,各領域の第一人者である友人にも依頼された分担執筆で,各著者は渾身の筆致で原稿を書き上げられている。本書が素晴らしいのは,症候学を神経解剖と結びつけるのみならず,その病態,メカニズムの詳細に切り込んでいる点である。英語の原本は手元においてときどき辞書代わりに読んでいるが,母国語になった本書をみるとまるで新しい著作の登場である。頁をめくり一気に飛び込んでくる内容は,母国語の有難味というべきか,身体感覚に響いてくる。何故か図などは原本より色彩が豊富となっており,どこを読みたいのか・どこを読まなければならないのか,一瞬にして教えられるほど鮮明である。
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