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メリット(Hilam Houston Merritt Junior;1902-1979)は,米国の神経学者であり,神経学界では20世紀を代表する,最も偉大な人物の1人と目されている。ノースカロライナ州のウィルミントンの裕福ではない家に生まれた。ウィルミントン高校を16歳のときに卒業し,ノースカロライナ大学に進んだが,1年生のときに,8つの科目で95点以上を取ったと新聞の一面で報じられたという。その後,ヴァンダービルト大学に移り学部学生を3年で卒業し,次いで1926年にジョンズホプキンス大学医学校を26歳で卒業した。インターンはイェール大学で行い,1928年に神経学のトレーニングのためにボストン市民病院のコブ(Stanley Cobb;1887-1968)の下に移った。米国の神経学のトレーニングシステムと専門医試験は1934年に制度化されるが,当時はそのようなものは存在していなかった。レジデントを終えると,ドイツ・ミュンヘンの神経病理学者として知られるシュピールマイヤー(Walther Spielmeyer;1879-1935)の下で勉強した。その後,ボストンに戻るとメリットはハーバード大学の教員になり,1944年にここを去る頃には教授職にあった。同時に,ボストン市民病院との関係も続けていた。メリットの論文は1930年から出版されるようになった。
1945年にコロンビア大学の教授とモンテフィオーレ病院の神経学部長に招聘され,1948年にはニューヨーク神経学研究所長も任された。1959年にコロンビア大学の医学部長に選ばれ,1970年までこの地位にいることになる。同時に副学長に選ばれた。この間,1957年に設立されたパーキンソン病基金の会長に就任し,ヤール(Melvin David Yahr;1917-2004)がその研究施設の研究部長となった1)。
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