書評
「アクチュアル 脳・神経疾患の臨床 最新アプローチ 多発性硬化症と視神経脊髄炎」―九州大学大学院医学研究院神経内科学教授 吉良潤一●専門編集 東京大学大学院医学系研究科神経内科学教授 辻 省次●総編集
田代 邦雄
1,2
1北海道大学
2北祐会神経内科病院
pp.273
発行日 2013年3月1日
Published Date 2013/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416101438
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多発性硬化症(multiple sclerosis:MS)は1868年のCharcotによる臨床症候の記載に遡るほど歴史的であるばかりでなく,現在に至るまで神経学領域では最も重要な疾患の一つとされている。その神経症候,病態の理解,そして診断と治療への道筋はもとより,特に近年のこの疾患概念に関する注目度・関心は非常に高く,神経内科を中心に,その関連する基礎ならびに臨床の各専門領域において日進月歩の進展が見られるのである。
このたび,『最新アプローチ 多発性硬化症と視神経脊髄炎』と題する最先端の書が出版されたことの意義は大であり,これらの疾患の重要性かつ論点を提言したことになる。すなわち本書では,この両疾患を並列に取り上げ,それらの病態と診断,治療とケアも含め,各項目に最適なエキスパートを配置して論旨を展開している。
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