増刊号特集 Brush Up! CDE 糖尿病合併症事典
Ⅱ慢性合併症
【その他の合併症】
認知症
調 進一郎
1
1H. E. Cサイエンスクリニック
キーワード:
①認知症
,
②インスリン
,
③介護
Keyword:
①認知症
,
②インスリン
,
③介護
pp.289-292
発行日 2014年4月15日
Published Date 2014/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101710
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症例 81歳 男性
現病歴:25年前から糖尿病.10年前から,インスリン療法開始.3年前に奥様を亡くし現在一人暮らしをされている.軽度の認知症もあり,介護保険(要介護1)を受けている.近くに娘さんが住んでいて時々様子をみてくれているが,週5日,仕事をしている.高血圧,脂質異常症の内服薬あり.
身体所見・検査成績:身長163cm,体重59kg.空腹時血糖140~170mg/dL.HbA1c 7.0~7.5%.単純網膜症あり.両眼白内障の手術後.腎症3期.目立った神経障害なし.
経過
❶1日3回,インスリン自己注射(朝食前混合型,昼食前超速効型,夕食前混合型インスリン)を行っていたが,次第に血糖コントロールが悪化.ケアマネージャーから「毎食前にきちんとインスリンが打てていないようだ」との指摘を受け,近医より当院へ紹介となる.
❷約3カ月前に意識障害,右半身麻痺にて入院.脳梗塞と診断された.リハビリにて杖歩行までは可能になったが,認知症の進行あり,担当看護師と検討した結果,インスリン自己注射の継続は困難と判断した.家族やケアマネージャーと相談.本人は在宅の希望が強いため,介護保険の区分変更申請(Tips 1)をして介護度の見直しを行うとともに,入院中に持効型インスリン〔デグルデク(Tips 2)〕1日1回に変更し,娘さんにも注射手技を指導.娘さんと訪問看護師が連絡を取り合って在宅にてインスリン注射を継続することとし,退院となった.
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