診療科別Clinic Report
皮膚科クリニックの糖尿病事情―浅井皮膚科クリニックの場合
浅井 俊弥
1
1浅井皮膚科クリニック
pp.200-201
発行日 2013年3月15日
Published Date 2013/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101479
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糖尿病のデルマドローム
皮膚は「内臓の鏡」と言われます.実際,さまざまな悪性腫瘍や内科疾患で,特徴的な皮膚の症状が出現することがあり,デルマドロームと呼ばれています.皮膚症状から内科疾患を診断するという,皮膚科医冥利に尽きる分野です.糖尿病にはいくつかの有名なデルマドローム,多発性環状肉芽腫,脂肪類壊死症,浮腫性硬化症など,「これを診たら糖尿病」という皮膚病変があります.このほかにも,デュピュイトレン拘縮や壊死性筋膜炎を含む皮膚の深在性,浅在性の細菌感染症,重症の足爪白癬などを診たときにも,基盤に糖尿病があるかを考えます.かつては,そういった皮膚病変を診て,糖尿病の診断が初めてつくという症例も少なくなかったのですが,最近ではすでに糖尿病の診断がついている患者がほとんどです.これは,健康診断の普及,国民の健康意識の高まり,さらに日本糖尿病学会の広報活動の成果ではないかと思います.
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