診療科別Clinic Report
整形外科クリニックの糖尿病事情―長瀬クリニックの場合
長瀬 満夫
1
1長瀬クリニック
pp.526-528
発行日 2013年7月15日
Published Date 2013/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101567
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当院の紹介
当院は整形外科が第一標榜科であり,私のキャリアも大学の整形外科教室に20年近くいて,骨・軟部腫瘍,生体材料,痛風などの関節炎の臨床および基礎研究を行ってきた.1999年に東京都板橋区で開業した.最寄駅から10分近くかかり,地域では古い住宅地にある.したがって,来院するのは近くのお年寄りやその家族,そして私の専門とする痛風,関節リウマチ患者さんである.外傷患者は少ない.10年以上,家族ぐるみで通院している方々もいて,かかりつけ医,そして何かあれば病院へ紹介するという施設である.板橋区には2つの大学附属病院を含め大病院が近隣に多数あり,医療連携に関係した研究会も多く,おそらくとても恵まれた環境にあるクリニックである.
整形外科が第一標榜科であるから,当初糖尿病は診なかった.診るようになったのには2つのわけがある.ひとつは開業して1年ぐらい過ぎたころ,近くの大病院の副院長先生から直接電話をいただいた.「かかりつけ医はワーファリン®ぐらい出してもらわないと困ります.」そうかということで勉強した.ワーファリン®を出す患者さんがいて糖尿病は診ないというのも,説明しにくいと考えた.もうひとつは日本人の5人に1人が糖尿病といわれていて,すべての患者さんを糖尿病専門の先生に診療を続けていただくことは,大変難しい現状だからである.
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