特集 Brush Up! CDE 症例から考える糖尿病療養指導
Ⅵよくある合併症
糖尿病腎症の療養ポイント
辻井 悟
1
1天理よろづ相談所病院 内分泌内科・糖尿病センター
キーワード:
①慢性腎不全
,
②微量アルブミン尿
,
③心血管疾患
,
④降圧治療
,
⑤食塩制限
Keyword:
①慢性腎不全
,
②微量アルブミン尿
,
③心血管疾患
,
④降圧治療
,
⑤食塩制限
pp.231-237
発行日 2012年3月31日
Published Date 2012/3/31
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101337
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症例 47歳 男性 2型糖尿病
タクシー運転手で,父と兄弟に糖尿病の家族歴がある.健診を受けたことがなく,2年前に感冒で近医を受診した際に糖尿病を指摘された.HbA1c(JDS値)12.0%で,すでに増殖網膜症(福田分類B2)と顕性蛋白尿を認めた.経口抗糖尿病薬を開始されたが,尿蛋白が増加し,1年前に全身浮腫のため他院に入院した.体重が83kgから65kgまで減量した後,当院眼科にて硝子体手術が施行された.血糖値のコントロールは良好なため,手術後は元の病院で経過観察されていたが,再度全身浮腫のため当科へ紹介入院となった.機会飲酒,喫煙20本/日.入院時には浮腫著明で身長172cm,体重73kg(BMI 24.7kg/m2),アキレス反射は陰性,血圧は198/100mmHgであった.入院時の検査では,24時間蓄尿による尿蛋白定量7.2g/日,Hb8.6g/dL,血清アルブミン2.4g/dL,LDLコレステロール222mg/dL,HbA1c(JDS値)5.4%,血清クレアチニン1.6mg/dL,クレアチニン・クリアランス43.1mL/minであった.
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