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Perspective●展望
糖尿病の新薬の開発ラッシュ来たる
Coming waves of the development of new diabetes medicine
内潟 安子
1
1東京女子医科大学糖尿病センター
pp.476-477
発行日 2010年9月15日
Published Date 2010/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101100
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血糖降下薬は,日本では1957年に第1世代スルフォニール尿素薬が,1961年にビグアナイド薬が,1993年にはα-グルコシダーゼ阻害薬が,1997年にチアゾリジン薬が,1999年には速効型インスリン分泌薬が,発売されている.各種の糖尿病血糖降下薬が出現したわりには糖尿病人口の増加は未だ頭打ちになっていない現状であるが,これらの薬剤が2型糖尿病の血糖コントロールに大いに活躍してきたし,活躍していることは周知の事実.糖尿病予備群の糖尿病への進行をもなんとかこれらの薬剤で止めることができないものかと大規模研究が組まれ,その結果がいくつも発表されてきていることも,人口に膾炙されている事実である.
1999年を最後にしばらく新しい薬効を持つ新薬が登場していなかったのであるが,2009年末から久しぶりの新薬――インクレチン製剤――が登場した.これは食後の血糖上昇を抑え,そして食前血糖値をいたずらに低下させないという,まさしく理想的な薬剤になると大いに期待されたのである.
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