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Perspective●展望
協会活動の活性化による1型糖尿病ヤング支援
Supporting young patients with type 1 diabetes mellitus through activation of working groups in the local diabetes association
赤井 裕輝
1
1東北労災病院糖尿病代謝センター
pp.142-143
発行日 2010年3月15日
Published Date 2010/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101048
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- Abstract 文献概要
よい血糖コントロールを維持できている1型糖尿病患者は皆幸せに暮らしているだろうか.血糖がよくて勤労意欲もあるのに,仕事がなければ幸せとは感じないであろう.よい血糖であっても,仕事がハードすぎて毎日深夜12時の帰宅では,充実感はあるかもしれないが100%の幸福感もないであろう.幸せであるか否かを,仕事や家庭での生活が充実しているか,そして健康を維持できているか,単純化してこの2つで考えてみたい.仕事や家庭の充実度は本人の主観的要素が大きい.結婚せずに仕事に励み,その仕事が成功すれば充実感を噛みしめることができる.一方で,糖尿病であることで人生を消極的にし,憧れの人がいても想いを打ち明けることのできない1型ヤングがいるかもしれない.もっとも彼(彼女)は糖尿病でなくとも同じ消極的行動をとっている可能性もあるけれど…….
健康の条件をも主観的に判断してしまうと合併症で後年つらいことになる.コントロール不良のまま先送りしている患者では教育的情報が不足している.いつも仕事優先で,そのときの感情だけで行動を決めてしまう.こうしたケースでは,医療者は患者が間違いのない判断を下せるように十分な情報提供をしなければならないが,幸いにして現状では医師・コメディカルとも大変努力されており,地域による差は大きくないと思われる.
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