News & Master's View
糖尿病合併症および死亡に対する血糖自己測定の有用性:ROSSO研究
藤澤 智巳
1
1大阪大学大学院医学系研究科 老年・腎臓内科学
pp.451
発行日 2007年9月15日
Published Date 2007/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100725
- 有料閲覧
- 文献概要
糖尿病の診療においてが治療・介入が有効であるか考慮する際,代謝指標のみではなく臨床的アウトカムに対するエビデンスが重要となることは言うまでもない.今回,合併症と死亡というアウトカムに対する血糖自己モニタリング(SMBG)の有用性が報告されたので紹介する.
ROSSO研究はドイツの多施設共同研究であり,1995~99年に2型糖尿病と診断された3,268名を対象に平均6.5年追跡したレトロスペクティブ調査である(SMBG実施群1,479名と非SMBG群1,789名).観察期間中の糖尿病合併症(非致命的心筋梗塞・脳卒中・足切断・失明・透析への移行)ならびに死亡率はSMBG群で有意に低かった(7.2% vs. 10.4%,p=0.002および2.7% vs. 4.6%,p=0.004).SMBGの合併症に対するハザード比は0.68(95%信頼区間:0.51-0.91,p=0.009),死亡に対するハザード比は0.49(同:0.31-0.78,p=0.003)であった.インスリン使用していない患者に限局した解析でも同様の結果であった.
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.