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血糖自己測定
河盛 隆造
1
,
望月 健太郎
1
1順天堂大学医学部内科学・代謝内分泌講座
pp.159-160
発行日 1997年2月1日
Published Date 1997/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902990
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はじめに
糖尿病とは主に遺伝,種々の環境因子により惹起されたインスリン分泌不全,インスリン作用不全を主な病態とする疾患で,その多彩な原因が近年徐々に明らかにされつつある.しかし,日常診療の場においてはその病因の同定は必ずしも容易ではなく,臨床的な特徴によっていくつかのタイプに分けている.主に①比較的急激に高血糖を呈し,インスリン分泌がほとんどないため治療にインスリンを必要とするタイプのインスリン依存型糖尿病(insulin-dependent diabetes mellitus;IDDM),②中年に発症のピークを持ち,無症状で徐々に高血糖となることが多いインスリン非依存型糖尿病(noninsulin-dependent diabetes mellitus;NIDDM)がある.
近年,わが国における糖尿病患者の急激な増加が問題となっている.最近の疫学調査では患者数は600万人と考えられる.このうちの99%以上がNIDDMである.NIDDMの発症には肥満,過食,運動不足といった環境因子の影響が大きく,NIDDM患者の増加は日本人の食生活,生活様式の変化がもたらした結果とも考えられる.
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