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特集 糖尿病診療の神話と事実―日常診療のなかの不確実性
神話と事実
糖尿病腎症の進行を抑制するためには厳密な高度蛋白制限食を実施しなくてはならない
Dietary protein restriction in diabetic nephropathy
小松 康宏
1
1聖路加国際病院腎臓内科
キーワード:
糖尿病腎症
,
慢性腎疾患
,
低蛋白食
,
ACE阻害薬
,
アンジオテンシン受容体拮抗薬
Keyword:
糖尿病腎症
,
慢性腎疾患
,
低蛋白食
,
ACE阻害薬
,
アンジオテンシン受容体拮抗薬
pp.749-752
発行日 2005年9月15日
Published Date 2005/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100024
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Case 4年前から高血圧,糖尿病を近医にて加療中の41歳男性.
Ca拮抗薬による血圧コントロールは不良,糖尿病の食事療法も遵守できていない.糖尿病腎症が進行し,体重も半年で10 kg増加したため,他院にて透析導入をすすめられたが,少しでも透析導入を先延ばしたいと希望し当院を受診した.CCrの経時的変化(Box 1)からは糖尿病腎症の自然経過と考えられたので,透析導入の判断は適切であることを伝えたが,本人の希望が強いため,入院のうえ徹底した食事療法,降圧療法を開始した.入院時血圧170/90 mmHg,身長170 cm,体重90 kg,BMI 31.1
検査所見:TP 4.8 g/dL,Alb 2.3 g/dL,BUN 59.9 mg/dL,Cr 8.47 mg/dL,Gluc 89 mg/dL,Hb 8.9 g/dL,Ht 26.1%.1,600 kcal,蛋白40 g,塩分7 gの食事療法に加えて,カンデサルタン4 mgを開始.血圧は130~140/80 mmHgまで改善.血清Crはカンデサルタン開始と共に,一時上昇(2日後9.47,14日後11.4 mg/dL)したがその後図に示すように安定し,約5カ月後に透析導入となった.
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