JIM臨床画像コレクション
摂食障害における唾液腺腫脹
木村 琢磨
1
,
青木 誠
1
,
高木 洲一郎
2
1国立病院東京医療センター総合診療科
2国立病院東京医療センター精神科
pp.900
発行日 2000年10月15日
Published Date 2000/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414903106
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非炎症性,非腫瘍性に両側の唾液腺腫脹(parotomegaly)を来す疾患を総称して唾液腺症(sialadenosis)といい,これがさまざまな病態に合併することがある.
症例は40歳,女性.17歳頃より神経性食欲不振症を発症して無月経となり,23歳頃より過食と自己嘔吐を繰り返していた.27歳頃に他院へ通院したが自己中止し,その後は治療歴はなかったが,33歳時,過食,嘔吐を主訴に当院を受診した.来院時,身長164cm,体重30.0kg (BMI11.2)で,両側の著明な耳下腺腫脹を認めた(表紙写真).現在,体重は37kgまで回復しているが毎日2~3回の過食と白己嘔吐を続けており,当院精神科の摂食障害外来に通院中である.摂食障害に起因すると思われる耳下腺腫脹は持続し,血清アミラーゼ値は433~1718IU/lと常に高値であるが,アイソザイムは唾液腺由来である.
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