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カルシウム拮抗薬による消化管出血
溝渕 和久
1
1今西医院
pp.960-961
発行日 1997年11月15日
Published Date 1997/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414902300
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消化管出血の危険性
今週号でPahorらは高齢高血圧患者(調査開始時点の平均年齢75.3歳)において,カルシウム拮抗薬による治療でβ遮断薬と比較して消化管出血の危険性が増加することを報告した.カルシウム拮抗薬による相対危険度はアスピリンや非ステロイド性消炎鎮痛薬よりも大きかった.この結果より高齢患者においては処方を修正すべきであろうか?あるいは全年齢の高血圧患者に対する処方を再考すべきであろうか?
この報告を知った臨床医は高齢者における消化管出血の危険性を考慮し,胃潰瘍,逆流性食道炎,消化管の癌,アスピリンや非ステロイド性消炎鎮痛薬あるいはワーファリン治療中などの他の危険因子を有する患者への,カルシウム拮抗薬処方を避けるかも知れない.
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