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特集 脱水を見逃していないか
脱水と輸液の基礎知識
脱水を見逃さないために
Don't Overlook Dehydration
北岡 建樹
1
1望星病院内科
pp.488-491
発行日 1995年6月15日
Published Date 1995/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901520
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体液量とその組成はどのようになっているか
生体には正常では体重の約60%の水分が存在する.この水分量は総体液量と言われ,細胞内に40%,細胞外に20%の割合で分布している.この量は年齢,性,肥満の程度により変化するが,成人男子では一般的にこの数値を記憶しておけばよい.体液は様々な有機物や無機物を溶解して構成されている.循環血漿量,あるいは細胞内水分保持などのために,その量と質の維持は生命の維持に欠くことはできない.このため生体には体液を正常に維持するための防御機構として循環器系,腎臓,神経・内分泌系などの機能が統合したメカニズムが存在していることになる.
飲食物の摂取量がどのように変化しても,体内の恒常性を維持するために浸透圧調節機構や容量調節機構により巧みに調節されている.例えば,水分摂取量が減少すれば,尿を濃くして体外に喪失する水分量を減らし,また同時に喉の渇きを伴うことになり,水分摂取が可能であれば,水分を摂取することにより体内水分量を正常にすることになる.
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